あそび場づくりの準備が始まりました(その4)
前回までの作業で、ひとまず遊具の柱の加工は終了しました。続けて、柱と柱をつなぐ横方向の部材「貫(ぬき)」の加工に入っていきます。
貫は柱にあけたほぞ穴に差し込んで組み上げる「木組み」という方法で組み立てます。その接合部分になるホゾを加工していきます。
まずはホゾになる部分に、丸ノコで切込みを回していきます。これを「胴付き回し」と言います。この切込みを回すときに、ノコ目の段差ができてしまうとカッコ悪いだけでなく、組立てた際に隙間にもなってしまうため、けっこう精度が求められます。
切込みを回したら、次はホゾの厚みとホゾの高さを決めます。ホゾの厚みはホゾ穴の横幅とちょうど同じくらいで良いのですが、ホゾの高さはホゾ穴よりも若干きつくなるように大きめに加工します。
その理由は、木の収縮に対応するためです。木は温度や湿度の変化によって伸び縮みをします。ホゾの大きさをホゾ穴ぴったりに作ってしまうと、木が収縮したときに接合部分がゆるゆるになってしまいます。木が縮んでも、接合部が緩まないようにするため、ホゾは穴より大きめに作る必要があります。
ちなみに、このホゾを若干大きめにする部分を「締り代(しまりしろ)」と呼びます。日本のように四季があって、温度湿度の変化の激しい地域では、この締り代が必要になります。
比較的、乾燥した北米ではホゾの大きさは穴にピッタリに作るそうです。先日、技能オリンピックの世界大会に出場された職人さんにお話を聞く機会があったのですが、日本的なフィット感で加工をすると「コノハメアイダトキツイネー」と審査員に言われるんだとおっしゃっていました。木工技術はその地域の気候とも関連しているんですね。
これで貫のホゾ取りが完了です。この貫に板を渡して遊具を作っていくことになるのですが、板を固定するための穴あけが必要です。この作業続けてを延々と進めていきます。
今回製作する遊具は汎用遊具。つまり組み換えすることで色々カタチを変えることができるという特徴があります。そんなこんなで、穴がもうたくさんあります。誰だこんな設計にしたやつは。
自分で自分に文句を言いながら作業はまだまだ続きます。
(まえの)